ケートゥは太陽と月が交差する南側のポイントのこと。ケートゥはヴェーディック占星術では凶星として知られていて、誤解されやすい星。実際には「星」ではなく、「影」のような存在でありながら、ヴェーディック占星術ではとても重要な「惑星」としての位置を与えられている。

ヴェーディック占星術では、ダシャーといって、惑星のサイクルがあると信じられていて、その人が生まれた時の月の位置から計算する。このサイクルであるダシャーは人生の大きな出来事が起こる時期を予測することができる。
このダシャーの中の「ケートゥ期」と呼ばれる時期はかなり難しい時期になると言われているので、今一度そのケートゥ期について学んできたことを書きだしてみたいと思う。

ケートゥというのは、人をモクシャ(解脱)に導いていく星であるとも言われる。なのにも関わらず、なぜ凶星なのか?
ケートゥが在住するハウスは本来、私たちが既に得意とする分野を表す。前世で長けていたことを表し、それを今世に引き継いでいるとも言われる。特に努力をしなくてもできてしまうようなこと、生まれ持った才能などを指す。
この才能に頼っているだけだとすると、人は今世、伸びていく部分があまりなくなってしまう。ある意味、傷つかないように、失敗しないように、「上手くできることだけ」しているようなそんな感じになってしまう。
ケートゥ期は、「今世するべきことをちゃんとしているかい?」「新しいことをちゃんと学んでいるかい?」「前世の才能に甘んじていないかい?」というお尋ねが入るような時でもある。

けれども、ケートゥ期には、お尋ねやテストや何の前触れもなく「突然」ドラマがやってくるように感じられる。ケートゥ期そのものはダシャーの中でも短い方だから、そのように突然やってくると、衝撃はとても大きく感じられる。
ということは、自分の前世から持ってきた才能や運などに甘んじることなく、学びを深めてきた人にとってのケートゥ期はそれほど衝撃の強いものではない。と信じたいところでもある。
ケートゥはサットヴァという純粋潔白なエネルギーを好む。ケートゥ期は出来る限り純粋な状態で過ごすことが好ましい。そしてケートゥ期に向けて生活全般、食生活でも日常の純粋さがより求められる時。どんな食事がサットヴァかということは、アーユルヴェーダをしている人などに聞いてみると良いかもしれない。
ケートゥが在住しているハウスをそれぞれ見て、ケートゥが教えてくれるヒントをつかんでみよう。

1室:自分ひとりで何かをしているのが気楽でよい。自立していることがこのケートゥの才能。内向的な人が多いのも特徴。他人に助けを求めるのが苦手。そのわりに孤独を感じやすいため、ケートゥ期が来るまでに、人と上手く関わりながら、助けを求められるようにならないと、大きな孤独感を感じるような出来事を経験する。ケートゥは、「自分ひとりで何でもできると思わない方がいい」ということを教えてくれている。
2室:お金を稼ぐことや、家のこと、衣食住に関することをしている時はとてもハッピー。恐らく過去世では稼ぐことを存分にしてきたのもあり、経済的状況に意識がいくため、今世ではお金がないような状況を経験するとたちまち不安になる。特にパートナーの価値などを稼げる、稼げないなどで厳しくジャッジしないようにと、このケートゥは教えてくれるのと、目に見える物質的なものの心配をやめるようにと忠告してくれる。その心配を続けると、実際にお金がない、衣食住の不安定さを引き寄せる。パートナーの人間性や精神的側面を大事にすることが必要。
3室:色々と考えながら思い通りにものごとがいくことに最高の幸せを感じる。トライ&エラーを繰り返しながら、好きなように自分で現実を創り上げていきたいと願っていることが多い。自分の行動からの経験や勘に頼り過ぎて、他人のアドバイスに耳を傾けなかったり、学習することそのものにエネルギーを注ぐことが出来ない傾向があるため、このケートゥ期には、自分の思い通りや今までの調子でいかないということを激しく経験することがある。
4室:家にいる時や自分のテリトリーの中ではとても心地が良い内弁慶の特徴が強いのかもしれない。精神的レベルで、母親の在り方をそのまま受け継ぎ、親離れができていなかったりすることもある。同じことばかりする、家にいる、新しいことをなかなかしない、などということがあるとすると、社会的に外で仕事をせざるを得ない状況に追い込まれたり、家そのものにいることができなくなるようなことがあるので、あらかじめ、コンフォートゾーンから出るように努力する必要がある。
5室:自分の世界の中で心地よさを感じる。子どもや、子どもの教育、自分の教育、自分の経歴、学歴などにこだわる傾向があり、資格や免許、人のステイタスに惹かれる傾向がある。ケートゥが教えているのは、成功は学歴や資格などではなく、時には人生経験そのものをリスペクトする必要があるのだということ。学歴や資格重視でいるとすると、ケートゥ期にはそれらが何の意味もなさないような挫折を経験することになる。
6室:競争が盛んな状態にいるとやる気が出るような傾向がある。勝ち負けが大好きで過去世からそれを経験してきている。問題や課題がある方が生きがいを感じる。人生はドラマがあってこそと無意識に思っている。時には「勝った」経験から自信過剰になりすぎてしまうことがある。このケートゥは柔軟性を持つことを学ぶ必要がある。柔軟性を学ばないまま「自分が正しい」と思うような感じでくると、ケートゥ期にかなり不公平な状況の中で苦しむことになる。
7室:人が周りにいることや、サポートしてくれることを心地よく思い、人との繋がりを大事にしたいと思う。パートナーや友達に恵まれるのは過去世からの恩恵であることもあるが、自立することを学ばなくてはいけないことをケートゥが知らせている。例えば感情ひとつにしても、パートナーの哀しみや怒りに同調し過ぎたりすることがあったりする。自分のアイデンティティをしっかり持って、パートナーと共にいても独り立ちしている状態を持つ必要がある。依存が強いと、パートナーや大事な人を失ってしまうのが7室ケートゥの特徴。
8室:他人の問題がよく見えることは過去世からの才能とも言えるかもしれない。何かをリサーチしたり必要な情報を得ることを得意としたりもする。そのため、「間違いのない人生」を歩もうという緊張感のようなものもある。良い人ぶってしまうことがあり、自分の弱みを見せなかったりすることもある。自分の成長に目を向け、自分の弱みなども見せることで、本当の意味での深い人間関係を築く必要がある。面白みのない人という印象や人との不自然な距離を持つことにならないようにとケートゥは教えてくれる。また、家族や他人のお金などに頼り過ぎない方がいいということも教えてくれている。自分のための努力が必要。他人に気に入られるための努力をやめなくてはいけない。
9室:権力のある人や宗教的な知識を非常に崇める傾向がある。精神性の高い知識などを上手く取り入れることができるというのは過去世の恩恵であるとも言える。ただ、自分の人生経験を棚に上げて口だけ達者になってしまうような傾向がある。そして必ずしも高い知識でアドバイスをすることが素晴らしいということでもなく、それぞれが人生経験を積んでいくことを許していかなくてはいけないということをケートゥが教えている。その部分を変えていかないと、ケートゥ期には人に鬱陶しがられて孤独になる。
10室:社会貢献がテーマの10室にあるケートゥは、人に求められていることをやりこなすのが上手い。社会的にどんなイメージを抱かれるかということに意識がいくので、その期待に応えるように行動する。ただ、本当の意味で自分の深い部分に触れると言うことをしなかったりするので、社会的な立場や評価ばかりに目を向けていると、家族にみすてられるようなことを経験する可能性がある。ケートゥは家族や自分の心の深い部分に意識を向けるように教えてくれる。
11室:過去世では人間関係においてとても恵まれていたのかもしれないが、今世では健全な人間関係を保つことが大きなテーマでもある。人間関係がもたらす運などに気付く傾向も強い。人間観察による勘のようなものも鋭いのかもしれない。その分、ただ、自分の損得で選んだ人間関係がもたらす重荷のようなものに悩まされ、なかなかうまく人間関係が築けなかったりするのもこのケートゥの特徴。例えば、「これならお金に苦労しないだろう」というような感じで配偶者を選んでしまうような場合、その後の代償のようなものを追ってなかなかそこから出れなくなったりする。
12室:自分の思考の世界や夢の世界にいることが最高の幸せ。12室のケートゥは非常に精神性が高くなる可能性があるにしろ、夢見の境地で終わってしまう可能性もある。12室ケートゥの人は、計画性を持って生活する必要がある。タイミングを待って行動する傾向が強いが、そのタイミングを夢の中で逃しているような感じが強い。夢ばかり追っていると、ケートゥ期に生活面での厳しさを経験することになる。
ケートゥのお達しが来る前に、それぞれのケートゥが主張しているエリアでの学びときちんと向き合っている必要がある。
それぞれのケートゥの位置をよーく見てみて。一筋縄に、ケートゥがその位置にあるから「こうである」というわけでもなく、周りの惑星の影響などもあるので、
よく分からない人は、ミニリーディングのお申込みを是非どうぞ。
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