生きづらさと「生命感覚」

macro photography of poppy flower

生物学的には「生命感覚」という言葉は存在しません。十二感覚論の中でよく使われる言葉です。

生命感覚とは、今わたしたちは「どう感じているのか」ということを教えてくれます。身体の中で起こっていることに気付く力でもあります。お腹が空いた、痛い、など。

生命感覚がなければ生きることもできないし、同時に、身体が感じる衝動だけに走るとすると生命の危険もあるわけなので、それを制御することも生命感覚になります。

そして生命感覚は慈悲の心や文化的資質をメンタル面で育ててくれるものでもあります。どういうことかと言えば、自然と困っている人を助けたいと思う気持ちが生まれたり、親が自然とお腹が空いた子どもに食べさせたいと思うのも、生命感覚で

そして健全な生命感覚を持つことで、人生の困難を乗り越えることも可能になるのです。

現在認知されている言葉を使うとすると、生命感覚は内受容感覚という言葉にいちばん近いと思われます。

内受容感覚とは、痛みや体温などを含む身体内環境、前庭システム、体液、内臓の状態に気付く力です。

「感情」というのは、身体内環境の変化に気付く反応であるということも言えます。

感情として湧き出してくる時に、

①内受容意識=自分の身体の内側の変化にどれだけ意識が行っているか

②内受容感覚の正確さ=実際に体内で起こっていることを正確に認識できているか。

③内受容感覚の敏感さ=そもそも身体の中で起こっていることを感じることができているか。

ということが重要な項目になります。

HSPの人や、すぐに不安になる人、心配になる人は、自分の身体の中で起こっている変化に敏感だと本人たちも思いがちですが、実際に身体の内側で起こっていることを感じる内受容感覚の正確さは欠けているとう結果が出てきます。

特にそこまで大きな身体変化がなくても、過剰に内受容感覚に意識することで身体や心の不調になっているのです。

自閉症の人はこの感覚が鈍麻であるか、敏感であるかどちらかですが、どちらにしても内受容感覚の正確さの欠落があります。

ということは、内受容感覚に適度に注意を向け、正しい内受容感覚を持つことが大事になります。

普通に言えば、自分の身体の内側で起こっている生理現象に気付くこと。

あくまでもそれは生理現象であって、それは「私はダメな人だ」というような概念とは何の関係もないということ。

あるがままにその生理現象だけを感じてみること。そこに何のストーリー性もないと知ることが大事です。緊張しているとか、あの人嫌いとか、そういうストーリーを付け加えずに、生理現象だけを知る必要があります。

身体からのフィードバックを知りながらも、反応しない自分を作っていく練習です。

言ってみればこれが、マインドフルネスということになるわけなのです。

興味深いことに、内受容感覚の感じ方の正確さを持つために、(=健全な生命感覚を持つために)大事なのは、「思考感覚」を持つことです。

思考感覚も十二感覚論の中の用語なので一般的に使われる言葉ではありませんが、他の人や、自分以外のものの「思考」や「働き」や「意図」を知る力なのです。内受容感覚で言えば、自分の考えではなく、身体という「物質の働き」を理解する力でもあり、生命感覚という言葉を使えば、相手の考えを知る力です。

相手を知る時、どうでしょう?

自分の主張を押し付けて相手を知ることができるでしょうか?

相手を知るとは、一歩下がって聴くということですよね。静かに聴くということをしなければ、相手を知ることはできません。

具体的にはリズムが静寂を創ります。暮らしにリズムを持たせ、安心感を持たせることや、呼吸や心拍を整えるようにしていくという地味なことが自分の中に静けさをもたらし、聴くことができるのです。

生命感覚のバランスが悪いと、リズムを無視して勝手なストーリーを作ってしまいます。自作自演のストーリーに苦しまないようにして、ただ身体がしていることに耳を傾けましょう。

これは占星術では、蠍座(生命感覚)と牡牛座(思考感覚)のバランスで出てきます。HSPや敏感体質の人は凶星在住があったり、ドシュタナハウス(凶意の強いハウス)やマーラカハウス(寿命に関わる)であったりすることがあります。

ホリスティックアートセラピーでは、生命感覚、思考感覚を整える効果を強く持ちます。繊細な人、HSPの人、場面緘黙の人、不安や心配が強い人などに、そのメカニズムを理解していただき、感覚を整えていくアートを提供します。

現在満枠ですが、近々募集致しますので、興味がある方はメルマガにご登録ください。メルマガからお知らせします。また12感覚ベースでみるインド占星術もホリスティックな解釈でお届けすることができますので、また空きが出ましたらお知らせいたします。



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投稿者: mayumicosmiclight

神奈川県生まれ神奈川県育ち。20代でオーストラリアに移住。 感覚の過敏さから精神的な不安定さに悩まされて大人になる。 40代で発達障害であると分かる。 シドニー大学博士課程前期終了。人文学専攻。(中世の錬金術、シンボリズムなど) 自分自身の生きづらさの真実を知るために様々なヒーリングモダリティ、ホリスティック療法などを学び続ける。 シュタイナー教員養成コース終了後、オーストラリアのシュタイナー学校勤務。 手仕事の授業を担当するものの、手仕事を通して生きづらさそうな子ども、学習に時間がかかる子どものことばかりが気になり シュタイナー治療教育にあたるエクストラレッスン®を学ぶ。 現在はクリスタルエッセンス製造元であるCosmic Light Therapy® Cosmic Light Pty Ltdディレクター。 シュタイナー学校でのエクストラレッスン®プラクティショナーとCosmic Light社のディレクターという二足の草鞋を履きながら、鉱物療法、ホリスティックアートセラピー、サウンドセラピー、など生きづらさや感覚過敏の人たちが、生きやすくなるような個別セッションやセラピスト養成講座を主催。また、Cosmic Light®【Planetary Alchemy®】でアントロポゾフィーに基づく鉱物療法のプラクティショナーをもっと育てたい情熱をもとに全ての家庭の救急箱にクリスタルエッセンスを、と願う日々。さらに地球にも身体にも優しいエシカル商品&クリスタルを日本のショップオーナーを通して販売中。 プライベートでは、国際結婚&国際離婚。子ども二人をシュタイナー学校に入れて働いてきたシングルマザーでもあります。人生の引き出しは色々あります。

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