生きづらさと「目」の関係性

book chapter six

「感覚」の中でも五感というのは、周りの環境から情報をプロセスする脳の能力のことです。それは「捉える」ということでもあります。脳のある特定の部分に感覚細胞が働きかけ、信号を受け取ったり発信したりしています。

今日のブログでは「視覚」についてホリスティックに語ってみたいと思います。特に繊細な人の「視覚」ってどうなっているのだろう?という話をします。

shallow focus photography of gray cat in box
Photo by eberhard grossgasteige

視覚というのは、目の光受容体が網膜で光を感知してフォーカスするということ。そして電気信号が発生して様々な色、色調、明るさなどが形を浮き上がらせるというような働きをしています。

目の光受容体には二つのものがあります。杆状体(かんじょうたい)と錐状体(すいじょうたい)と呼ばれるものです。杆状体は光に敏感で、錐状体は色を区別します。神経細胞がイメージを撮って脳に送ります。そして脳がそれを「訳して」、警告を送ります。そのイメージにどう応答するのか?ということになります。

close up view of plasma

感覚過敏がある人は目で受け取ったイメージという情報をプロセスする部分が影響を受けています。これはほんの一例ですが、

・9と6の違いがすぐに見分けられない。英語だとpとbの違いが見分けにくい。

・背景がゴチャゴチャしているところから必要なものを見つけにくい。

(ウォーリーを探せ、みたいなやつですね)

・言葉や形や絵などを辻褄が合うように並べることができない。

・身体の部位が上手くコーディネートできない。(ダンスの振り付けとか,スポーツも苦手)

・見たものを記憶しておくことができない。(メニューを見て、「タスマニア産オイスターの燻製レモン添え、モロッコ産クスクスとスズキのムニエル」みたいなことを一回読んで記憶して伝えたり、書き直したりできない感じ)

・その物がどこに置かれているのか伝えるのが難しかったり、指示を出すのが苦手なので自分でした方が速い。というような感じ。

・何かひとつの部品を見て、それがどこから来てどう関連しているのか分かりにくい。

・言葉を入れ替えたり、数字を入れ替えて前後が混じった状態で書いてしまう。

adult blur books close up

そういったことがあるとすると、実生活で

・光に敏感

・視覚的な刺激に気分が妨害されたり疲れる(テレビなどが苦手)

・目を細くして見たりこすったりすることが多い

・目の前にあるのに見つけられない

・目線を合わせるのが苦手

・暗いところが大好きか大嫌いか

・字を同じ大きさで真っすぐ書くことができなかったり、ページにおさまりきらなかったり、逆に小さく書きすぎてスペースが空きすぎたりする。   

・本など、どこを読んでいるのか分からなくなる。

・すぐ物にぶつかる。

・階段やエスカレーターの上り下りが苦手。

・右左の区別がつきにくい。

というようなことが日常的にあります。当てはまるものはありましたか?

目には大きく分けて4つの働きがあります。

トラッキング

目がトラッキングできない時というのは、目が見たいものの対象に上手くついて行かない時ということです。本を読んでいて、指で追っていれば読めても、目だけで追っていると同じ行を何度も読んでいることはないですか。時には文字を飛ばしてしまったりすることもあります。また、動体視力とも関係かあるので、ボールなどを目で追えなくて、キャッチボールが苦手だったり、投げられたものを掴むことが出来なかったりします。

フォーカシング

目が見たいものの対象に上手くフォーカスできない時、遠くにあるものを見て近くにあるものに焦点を移すのが大変だったりします。子供だったら、黒板を見て、手元のノートに同じように写すというような行動が困難になります。目が疲れやすかったり、頭が痛くなったりします。

アイティーミング

目は両目一緒に働いてくれているのですが、同じように動いているわけでは実はありません。両目か「チーム」のように違う動きをするからひとつのイメージが上手く見えるということなのです。目がティーミングできていないと、対象となるイメージがクリアに見えず、重要ではないと脳が判断するため、物ごとの理解が上手くできなくなります。

ビジュアルプロセシングスキル

目は自分の周りの環境から集めた視覚情報を使うための橋渡し的なスキルを持ちます。空間のどの位置に自分がいるかなどの距離感を掴むためにも大事な働きをします。情報を空間から集め、整理整頓する役目もあります。また似たような言葉を読む時、その違いを認識するためのスキルにも両目がバランスよく使えている必要があります。

opened books placed on disheveled bed
Photo by Kate Graur

では、どうして、この「目」が生きづらさに繋がるのでしょう。

既に大人になってしまって気付かずにいるとすると、幼い頃、どうしても勉強についていけなかったとか、何をするにも遅かったとか、体育の授業が得意ではなかったとか、そういうことが原因で、「自分は出来ない人だ」という定義付けを自分にしている可能性があります。それが自信のなさになっているわけですよね。

また、視線が合わないというのは、視覚情報が大きいので刺激から自分を守ろうとしていることでもありますが、目線が不安定なので、気持ちも不安定になり、自分の世界は安全ではないと感じたりします。

人目が気になるというのも、視覚情報が強すぎる感覚過敏であることが多く、恐らく殆どの場合、相手は何も思ってはいないのに、自分だけが気にしてしまって窮屈で自由ではない感覚に繋がります。そしてその思考体系ができてしまうと、自分を守ろうとするがばかりに、自分の考えや自分の気持ちなどに繋がるリフレクション(投影)が自分に向けてできないので、結局、意見がなくなってしまったり、言葉としてまとまらない感じになり、黙ってしまうような性格を形成します。いちばん苦手なのが、テーマのない作文や、質問としては、「どうだった?」という幅が広すぎるもの。自分にリフレクトすることができないので、答えるのが難しくなります。

そして何より、視覚が不安定だとボディジオグラフィーという身体のマップが出来上がっていないので、思い通りに現実を動かすことができないという窮屈さに繋がるのです。それが自信のなさになっています。

場面緘黙の人の殆どが視覚過敏を持っています。

カウンセリングなどで寄り添ってもらうという段階が必要とされるときもありますが、視覚のスキルを上げることで、実は、だいぶ良くなることが殆どです。

繊細である人(特に大人)はじっくりとその仕組みを理解して、練習を重ねることで、必ず生きやすさを得ることができます。

ホリスティックアートセラピー講座では理論と演習を重ねて生きやすさを得ることを助けます。第三期ホリスティックアートセラピー講座 募集中。 

ご希望があれば、最後に指定のレポートなどを提出していただくことで、認定ホリスティックアートセラピストとしてお仕事に使っていただける内容となっています。

https://www.reservestock.jp/page/event_series/77766

そして、スピリチュアル的にも(精神的というか霊的というか)

目覚めた状態というのは、ものごとを偏見なくありのまま見ることができるということ。目覚めは、所謂、サイキック能力というよりも、「開眼」であるとすると、自分のジャッジメントや感情などを入れない観察目線を持っていることです。

ところが、肉体的な「目」が不安定だと、見える世界は安全ではないので、世界が歪んで見えたりするわけです。逆に目が全く見えない人であれば、別の感覚器官を使って上手く世界を捉えているかもしれませんし、霊的成長がその人の中にあれば、目が見えない方がむしろジャッジメントはないのかもしれません。

ですが、目が見えている人たちにとっては、その目に見えるものを「真実」とするのがサガです。人間にとっては視覚がいちばん強い感覚ですから。

ということは、現象を映し出す「目」を安定させるとともに、冷静な分析力を高めていくことや、ものごとの真実を見極める力が必要ということになります。これは人間の乙女座を高め、魚座に到達させるということ=人生の歩み そのものを安定させることになります。視覚が安定すれば、歩みが安定するのは、分かりますよね。

将来、必要な方へのセッションを無料にしていきたいという野望があります。そして、より多くの生きづらさを抱えた繊細な人たちに有益な情報を発信したいと考えております。そのため、メインの活動を執筆にしていく夢があります。もし、そんな夢をサポートしたいと思ってくださる方がいらっしゃったら、ドネーションをお願いします。またコスミックライト社の収益の一部をチベタンチルドレンファンドに毎月ドネーションしていますので、そちらへのドネーションもこの窓口から受け付けます。よろしくお願いします。

投稿者: mayumicosmiclight

神奈川県生まれ神奈川県育ち。20代でオーストラリアに移住。 感覚の過敏さから精神的な不安定さに悩まされて大人になる。 40代で発達障害であると分かる。 シドニー大学博士課程前期終了。人文学専攻。(中世の錬金術、シンボリズムなど) 自分自身の生きづらさの真実を知るために様々なヒーリングモダリティ、ホリスティック療法などを学び続ける。 シュタイナー教員養成コース終了後、オーストラリアのシュタイナー学校勤務。 手仕事の授業を担当するものの、手仕事を通して生きづらさそうな子ども、学習に時間がかかる子どものことばかりが気になり シュタイナー治療教育にあたるエクストラレッスン®を学ぶ。 現在はクリスタルエッセンス製造元であるCosmic Light Therapy® Cosmic Light Pty Ltdディレクター。 シュタイナー学校でのエクストラレッスン®プラクティショナーとCosmic Light社のディレクターという二足の草鞋を履きながら、鉱物療法、ホリスティックアートセラピー、サウンドセラピー、など生きづらさや感覚過敏の人たちが、生きやすくなるような個別セッションやセラピスト養成講座を主催。また、Cosmic Light®【Planetary Alchemy®】でアントロポゾフィーに基づく鉱物療法のプラクティショナーをもっと育てたい情熱をもとに全ての家庭の救急箱にクリスタルエッセンスを、と願う日々。さらに地球にも身体にも優しいエシカル商品&クリスタルを日本のショップオーナーを通して販売中。 プライベートでは、国際結婚&国際離婚。子ども二人をシュタイナー学校に入れて働いてきたシングルマザーでもあります。人生の引き出しは色々あります。

生きづらさと「目」の関係性」への1件のフィードバック

コメントを残す

シュタイナー自然療法とシュタイナーホームスクールをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

シュタイナー自然療法とシュタイナーホームスクールをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む