ディスプラクシア  ー発達性協調運動障害とは?ー 

brown work boots

運動音痴だから、不器用だから、人前に出るのを躊躇してしまい、どんどん自信がなくなっていく。なんてことを経験しながら大人になった人もいるかもしれません。

運動が苦手。もしくは、特定の運動やダンスのようなものが苦手だとすると、それはディスプラクシア、発達性協調運動障害かもしれません。

Photo by Collin Guernsey

協調運動とは?

協調運動は、手足の動き、姿勢、触った感じ、見た感じなど個別の運動をまとめて行う脳の機能のひとつのことを言います。滑らかにこれらの運動を行うことは、例えば着替え、食事、運動バランスや姿勢を保つことや学習など、生きるために必要な質とも言えます。

Photo by Lukas

発達性協調運動障害とは?

協調運動が本来の年齢や知能に見合っていなかったり、困難を生じる神経発達障害です。例えば、子どもの場合は、

すぐ人や物にぶつかる。

なかなかお箸が使えるようにならない。

ハサミを使う手がぎこちない。

ボタンを留めることがなかなかできない。

靴紐が結べない。

縄跳びが苦手。

エスカレーターに乗れない

塗り絵が上手く塗れない。

コンパスが使えない。

リコーダーが苦手。

などがあります。

Photo by Kaique Rocha

大人の発達性協調運動障害については後で書きますが、これらの何気ない日常的な運動は大きく分けて、微細運動と粗大運動に分けることができます。

微細運動とは

モノをつまんだり、ひっぱったりするような、指先を使った細かな作業を言います。

粗大運動とは

感覚器官からの情報を元に、移動したり姿勢を保ったりする運動です。先天的に人間に備わっている運動の中に、寝返りをうつ、お座りする、ハイハイする、つかまり立ちをする、歩く、走るなどがありますが、その経験をもとに自転車に乗ったり、泳いだり、スポーツなどをするようになります。

発達性協調運動障害があると、粗大運動、微細運動のどちらか、もしくは両方が困難であったり、不正確であったり、遅かったりするのが確認できます。 

 

年齢が低いうちは、ある意味どの子もどこかしらで不器用さがあるので、顕著にみることはできませんが、小学校に上がると、特定の協調運動に困難が見られ始めることがあります。

ただ不器用であるとか、運動が苦手と言うことを親や教師は問題とは思わない傾向があるため、実はそのまま大人になると、二次障害的な影響に悩まされることがよくあります。発達性協調運動障害と診断された子どもの50-70%が大人になっても、協調運動困難が残存し、頻繁に精神心理的症状(抑うつ症状、不安障害)に発展することが明らかになっています。正に「生きづらさ」の起因となっているのです。

勉強ができる、できないより、運動ができる、できないは、他の子どもから見ても一目瞭然のため、運動が苦手な子どもは、自信がなく自然に引っ込み思案になっていきます。そのわりに、軽視され、放置されてしまうところが問題です。

発達性協調運動障害と知能は関係なく、これは感覚処理障害の分類に入ります。感覚の問題は、入力から出力に至るまでのプロセスの障害であると考えられています。

感覚は、刺激として入力され、脳で処理され、行動として出力になります。そのプロセスが上手くいかないのです。そのため、見え方、聞こえ方は多くの人とは異なり、それが苦しみとなります。予測された感覚のフィードバックが実際の感覚のフィードバックと時間的一致があるとき、「私が自分でこれをした」という経験となる運動主体感になりますが、それが欠けているということになり、この経験は後にうつ病などになりやすい原因です。それが感覚処理障害の二次的な難しさの正体です。運動主体感は人間の意欲に関係する大事なものです。だからこそ、発達性協調運動障害を放置しないでおくことが大事になります。

Photo by Pixabay

発達性協調運動障害の子どもは、できないのではなく、「遅さ」や「不正確さ」が特徴です。時間がかかるのです。そのため、頑張り続ければそのうちできるということが、プレッシャーになります。自意識が芽生えてくれば、友達はすぐに上手にできるようになるようなことなのに、自分はやたらと時間がかかるということに気付いて、それがプレッシャーになったり、自尊心が傷つくようなことになります。時には、大人には「怠けている」と思われたりすることも残念ながらよくあることです。さらに「頑張れ」と言われ、頑張り続けてしまうことがいつしかさらなる苦しみになります。

この不正確さや遅さは、確かに時間をかけていけば、発達します。ただ、大事なのは、競争のないところで専門家の助けを得ることです。

大人になっても発達しないままであるとき、(全部あてはまるわけではありませんが)

料理ができない。(作りながら次のプロセスを考えることができないとか)

泳いだりスポーツができないので、楽しめない。

上手く話すことができないので社交ができない。

車の運転が極端に苦手。

なかなか寝れない。

何から始めたらいいのか分からなくなり、結局何もしないで終わる日が多い。

などなど、人生を創造することの弊害になります。

Photo by cottonbro

治療できるのか?

私は「障害」という名前がついても、「障害」ではなく、発達することが可能な課題であるだけだと捉えているので、治療という表現はあまり好きではありません。私自身も発達性協調運動障害があります。地図を読むことが苦手。泳げるけど、「水泳」はできない。ルールのあるスポーツ全般苦手。球技ダメ。などです。(まだあると思います)

私が提供するのは、

―まず、どんなことが苦手なのか見るアセスメント。

―そこから必要に応じて先天的な粗大運動をきちんとやり直すこと。

―アストラルとエーテルを通って、きちんと「自分の身体の中に自分が在ること」を心地よく思えるようにアートを使うこと。クリスタルエッセンスや音叉もアストラルとエーテルを育てるのに非常に有効だと感じています。

―手仕事を使って、微細運動の練習をすること。

そんな感じで、ホリスティックに扱います。私のフォーカスは、ただスキルを身に着けさせることではなく、人として整った「人間」への進化です。そのためには肉体、エーテル体、アストラル体を育てていくことを大事にしたいと思っています。

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投稿者: mayumicosmiclight

神奈川県生まれ神奈川県育ち。20代でオーストラリアに移住。 感覚の過敏さから精神的な不安定さに悩まされて大人になる。 40代で発達障害であると分かる。 シドニー大学博士課程前期終了。人文学専攻。(中世の錬金術、シンボリズムなど) 自分自身の生きづらさの真実を知るために様々なヒーリングモダリティ、ホリスティック療法などを学び続ける。 シュタイナー教員養成コース終了後、オーストラリアのシュタイナー学校勤務。 手仕事の授業を担当するものの、手仕事を通して生きづらさそうな子ども、学習に時間がかかる子どものことばかりが気になり シュタイナー治療教育にあたるエクストラレッスン®を学ぶ。 現在はクリスタルエッセンス製造元であるCosmic Light Therapy® Cosmic Light Pty Ltdディレクター。 シュタイナー学校でのエクストラレッスン®プラクティショナーとCosmic Light社のディレクターという二足の草鞋を履きながら、鉱物療法、ホリスティックアートセラピー、サウンドセラピー、など生きづらさや感覚過敏の人たちが、生きやすくなるような個別セッションやセラピスト養成講座を主催。また、Cosmic Light®【Planetary Alchemy®】でアントロポゾフィーに基づく鉱物療法のプラクティショナーをもっと育てたい情熱をもとに全ての家庭の救急箱にクリスタルエッセンスを、と願う日々。さらに地球にも身体にも優しいエシカル商品&クリスタルを日本のショップオーナーを通して販売中。 プライベートでは、国際結婚&国際離婚。子ども二人をシュタイナー学校に入れて働いてきたシングルマザーでもあります。人生の引き出しは色々あります。

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