白いものしか食べない偏食

white grass field

白いものしか食べない偏食っ子。食べるものと言えば、白飯、うどん、白いパン。そんな偏食っ子に時々出会います。大人になっても偏食が残ったままの人もいれば、かなり無理して食べている人もいれば、肉類、揚げ物、カレーやラーメンばかり。のような人も存在します。

離乳食は難なくいけても、幼児食になる頃には全拒否。というのはよくあることです。ちなみにうちの子は、離乳食拒否のまま18か月が経っていて、その後も「うどん」しか食べないという有様でした。

親としては、栄養面とこれからの発達のことを考えると、子どもが食べてくれないことは、本当に心配だし、せっかく望みを抱いて作ったものを拒否されたり、時にはお皿を投げられたりすると、赤ちゃん相手と言えども、泣きたくなります。(赤ちゃんによるリアルちゃぶ台返しですよね。)

それでなくても産後からの寝不足の連続。体力もギリギリのところで頑張っているお母さんにとって、手間暇かけて煮込んで潰した料理を食べてくれないというのは、かなり精神的に追い込まれてしまうことだってあります。

でも、親子でも夫婦でも「人としてのメカニズム」を知るだけで、冷静にものごとを受け入れられることもあります。食べ物の好き嫌いの激しい人に何が起こっているのでしょう。

今回もホリスティックに考えてみます。

食べ物の好き嫌いが激しい。というのは、殆どの場合「わがまま」でもなければ「甘やかした」わけでもありません。

感覚過敏です。五感(正確には十二感覚)の過敏さが問題です。

私がそうだったので例に挙げると、

★様々なおかずが並ぶと、ゴミ収集車が集まって来たような感覚で吐き気をもよおす。

★お肉は、枝を飲みこまなくてはいけないような不快さ。

★ご飯におかずの臭いがつくのとオエっと、えづいてしまう。

★手がべたべたするような食べ物はナメクジを触らなくてはいけないくらい気持ち悪い。

★見た目が色鮮やかなものは、口にしようとするだけで、胸がいっぱいになるような、息苦しくなるような感じがする。

★人が周りで食べている音が異常に気になる。噛む音、すする音が特に耳障り。

そんな感じでしょうか。中でも私にとっては、臭いからの吐き気と食材同士がくっついてしまうことによる味の重なりがいちばんダメでした。

ですが、問題は、それを言葉で表現できないことなんです。

何と言えば良いか子どもは分かりません。

なぜ、そんなことが起こってしまうのでしょうか。

まず考えられるのは、「哺乳反射」です。

哺乳反射は母乳やミルクを生まれてすぐ飲むために備わった本能です。

その哺乳反射は、生後5-7か月で消えることが多く、一般的にその頃、離乳食を始めます。赤ちゃんがあり程度しっかりお座りが出来て、背中や首が安定している状態であること、そしてスプーンで飲み物などを口に運んだ時に舌で押し出すことがなくなってくるのが目安。そしてもちろん、食べ物に興味を持つことも大事です。

舌で押し出すということは、噛む力がまだ備わっていないということでもあるのですが、その時に無理に食べさせてしまうと、自分なりのやり方で食べるので、大きくなっても噛む力が弱ったままになり、お肉などを食べるのを嫌がります。そして顎も発達しないので、永久歯がガタガタになって生えてくることもよくあります。(話す力にも影響します。)

そして赤ちゃんは本来、生きる為に「匂い」や「温かさなどの触感」や「味覚」に敏感ですが、哺乳反射が残ったままで、食べるという経験が積み重なっていかないと嗅覚、触覚、味覚が過敏な状態になります。赤ちゃんにとっては甘い母乳やミルクの味は安心でも、苦い野菜などを口に入れることが耐えられなかったり、ざらっとした食感のお肉がダメだったり、もさっとしたものがダメだったり。好き嫌いに強く繋がっていきます。

白い物しか食べない。というのは、味覚の感覚過敏で、「甘さ」を安心としているといことで、不安な感覚の表れであることが多いです。それも、お母さんのせいというわけではなく、感覚の過敏さが故の反射から「自動的にわけもなく不安」ということも多いのです。そんな子にはたくさん皮膚に刺激を与え、特に背中を寝る前にマッサージしてあげたりするとう良いです。

ですが、中には、離乳食の時はよく食べていたけれど、幼児食になるにつれて好き嫌いが酷くなるということもあります。

これは非常にホリスティック的な考えですが、人間は誕生してすぐに肉体に転生するわけではありません。最初の7年間、時間をかけて生命エネルギーが肉体に転生し、その後の7年間は思考体に、そしてその後の7年間は感情体に、と言うように転生していきます。肉体に転生する最初の7年のうち、誕生から1歳過ぎまでというのは凄まじい発達を赤ちゃんはします。

魚のように羊水を泳いでいた赤ちゃんは、生まると、新生児期はまるで植物のような感じ。そこから赤ちゃんを腹ばいにすると鳥のような恰好するような感じに進化し、自分で寝返りをしハイハイし始める頃には爬虫類のように進化。それを卒業すると四つん這いの哺乳類。伝い歩きになると猿のように進化し、一人で立ち上がり歩くというのは「人」としての歩みの始まりでもあります。そうなると、自分の自我が少しずつ出始めます。それまで、お母さんと自分の違いが分からない程エネルギーが一体化していたところ、次第に自分とお母さんは違う存在なんだと気付き始めます。身体を自分の意思で動かすことができるようになるということは、自分がどうしたいのか、ということが肉体レベルで少し分かるようになるということなのです。

1歳までは離乳食を食べていたけれど、その後どんどん食べなくなる子は、恐らく哺乳反射が残っている状態でもあり、感覚過敏もある状態。けれども、それまでは、何となく呑み込めてしまっていただけで、それに対しての不快感を上手く身体で拒否出来ていなかったということでもあり、お母さんと一体化していたところからの自立の表現でもあります。

そして「いやいや期」と呼ばれる2歳頃から3歳頃にかけては、健全に育っていれば、さらに生命のエネルギーが肉体に転生してくるため、自我がかなり強くなります。自我とは、「わがまま」ではなく、「私は私。あなたとは違う」というような感じで、大きくなるにつれ、私が私であるという感覚は自分のアイデンティティとなり、生きる上で必要なものです。いやいや期になると、ますます好き嫌いが激しくなります。

好き嫌いというのはかなり複雑で、真っすぐ座るための筋肉があることや、内臓、舌、腸や胃、蠕動運動を促す筋肉なども発達している必要があります。

食べるためには五感を使いますが、満遍なく食事ができるようになるには、視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚、固有受容覚、前庭覚、内受容感覚という8つの感覚も必要となります。

もちろん、内臓機能そのものも、それなりに発達しないと食べることができないものもあります。

なので、重度の偏食の場合は、内臓機能なども診てもらう必要があったりするので、専門の医療機関に相談しにいくと何かヒントが貰えるかもしれません。

重度というのは、特定の栄養素が全く摂れていない状態。野菜や果物は一切食べないとかですね。(個人的には小さいうちはお肉は絶対必要なわけではないとは思いますが)

あくまでも、私は医療関係者ではなくホリスティックな立場から見る一個人としての見解を書きますが、

まず、絶対にお母さんは自分のせいにしないこと!

発達は皆同じスピードで進みません。人間はロボットではありません。育児書に書いてある月齢通りに進みません。SNSで「野菜たっぷりのオーガニック食」を食べている子どもの写真や、それを与え幸せそうなお母さんの写真と自分を比べてはいけません。

子どもの偏食を通して学べることがたくさんあります。子どもと一緒にお母さんも発達する機会でもあります。殆どの場合、お母さんが作ったものが悪いとか、育て方が悪いわけではありません。哺乳反射の残存や、感覚過敏です。

感覚を優しく刺激するために、たくさん外に連れ出してあげてください。できれば、自然の中に。そして無理に公園などでママ友やその子どもと遊ばせて疲れる必要はありません。お母さんも子どもも、安心だと思える環境で外に出かけてほんの少し違う子たちの存在を認識できるようにするところから、少しずつ世界を広げていけば良いのです。

無理して食べさせなくても大丈夫です。というか、無理して食べさせないでください。わがままで食べないわけではありません。(どうしてもお祖母ちゃんなどがいると、昔の感覚なので「わがままに育てて!」みたいになるかもしれませんが、その時はこの記事でも読ませてください。笑)

ただ、チャレンジする機会を与えるのは大事なことなので、大人が食べる食材をほんの少しあげてみるということはしてみてください。

そして何より、食事は地球でのカルチャーですから、「楽しいね」「美味しいね」の雰囲気をつくることが大事。食べなくても、きれいに並べて、食卓の真ん中にキャンドルやお花などを飾ったりすると、食事というのは「美しい」ものだという感覚が身についていきます。人間は必ず「美しいものを求めます。」

哺乳反射を統合していくのにお薦めなのが、シャボン玉を吹くことや、羽をストローで飛ばす遊び、大きくなったら、口の中の運動などもできます。

私の哺乳反射が統合されたのは、恐らく、知らずに小学校3年生で始めたトランペットだったのではないかな。と思います。小学校4-5年くらいからやっと色々食べられるようになったのを覚えています。

最後に、白い物しか食べないのは、もちろん味覚過敏ですが、それ以外にホリスティック的な考え方をすれば、魂は誰もスピリチュアルな領域からやってくるわけで、白は光の色。まだ魂は光に属する子どもにとって、白は安心なふるさとの光です。なので、ご飯しか食べない子であれば、大根や白菜など、自然で甘いものをほんの少しあげてみる。ということから始めても良いかもしれません。それも甘さ、白さというところで結びつくということも付け加えておきます。

現在、子どもへのホリスティックアートセラピーはしていませんが、大人対象に、感覚を整えるホリスティックアートセラピーを行っています。現在満枠ですが枠ができましたら、メルマガからお知らせしますので、お申込みください。

https://www.reservestock.jp/pc_reserves_v2/courses/26308

今後のMayumiの活動や執筆活動のファンド、チベタンチルドレンファンドへの寄付なども含め、何か発信内容が有益なものであったと感じる時にドネーションを頂けると幸いです。私の夢は執筆にもっと専念できるようになること。この地球に本当の豊かさの循環をもたらすことができるようなフェアトレード&エシカルビジネスの発展にも力を注いでいきたいと思っています。関わる全ての人に循環を。の願いをこめて。

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投稿者: mayumicosmiclight

神奈川県生まれ神奈川県育ち。20代でオーストラリアに移住。 感覚の過敏さから精神的な不安定さに悩まされて大人になる。 40代で発達障害であると分かる。 シドニー大学博士課程前期終了。人文学専攻。(中世の錬金術、シンボリズムなど) 自分自身の生きづらさの真実を知るために様々なヒーリングモダリティ、ホリスティック療法などを学び続ける。 シュタイナー教員養成コース終了後、オーストラリアのシュタイナー学校勤務。 手仕事の授業を担当するものの、手仕事を通して生きづらさそうな子ども、学習に時間がかかる子どものことばかりが気になり シュタイナー治療教育にあたるエクストラレッスン®を学ぶ。 現在はクリスタルエッセンス製造元であるCosmic Light Therapy® Cosmic Light Pty Ltdディレクター。 シュタイナー学校でのエクストラレッスン®プラクティショナーとCosmic Light社のディレクターという二足の草鞋を履きながら、鉱物療法、ホリスティックアートセラピー、サウンドセラピー、など生きづらさや感覚過敏の人たちが、生きやすくなるような個別セッションやセラピスト養成講座を主催。また、Cosmic Light®【Planetary Alchemy®】でアントロポゾフィーに基づく鉱物療法のプラクティショナーをもっと育てたい情熱をもとに全ての家庭の救急箱にクリスタルエッセンスを、と願う日々。さらに地球にも身体にも優しいエシカル商品&クリスタルを日本のショップオーナーを通して販売中。 プライベートでは、国際結婚&国際離婚。子ども二人をシュタイナー学校に入れて働いてきたシングルマザーでもあります。人生の引き出しは色々あります。

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