自我と自我感覚と地球の進化

person walking on road between trees

生まれたての赤ちゃんの意識はどこにあるのでしょう?今ここにある世界ではない別の世界にいるような印象すら赤ちゃんは与えます。何かを意図的に見ることもなくそこにいるとでも言いますか。何かに生かされている存在そのものとでも言いますか。

赤ちゃんの世界は隔たりがなく、一言で言えば、「わたし」という感覚を持っていません。

「わたし」という感覚は、動物界にはありません。直立することができる人間としての資質だからです。そして人間は「創造」することができます。動物には意図的な創造はできません。動物は生存していますが、創造はしていません。

「わたし」という感覚は愛や慈悲の心に繋がり身体の中位と関わるため、人間としての調和とバランスとなります。

Photo by Amir Esrafili

「わたし」という感覚は身体にあります。

ですが、スピリットは「わたし」に宿ります。

よって「わたし」は永遠の意識でもありますが「わたし」の本質は靄がかかったようなハッキリした状態で認識することはなかなかできません。

「わたし」に繋がるためには3つのクオリティを理解する必要があります。

その3つとは Thinking, Feeling, Willingです。そして12感覚を整えていくことです。

「わたし」を感じる感覚は「自我感覚」と言い、

「わたしはわたしであること」を自我と言います。

人間は死ぬ時、肉体とエーテル体に宿っていたものを全て手放します。死ぬ時に持って行くものは、自我とアストラル体です。自我とアストラル体は肉体とエーテル体で経験したことを持って行きます。

人間がもし、アストラル体だけを持っていたら物事を忘れ続けます。なぜなら、自我が過去をもたらし、人間に現在を与えるからです。自我があるから、自分に必要な情報を記憶し、意味をもたせることもできるのです。そして自我があるから、理想や願望を持ち、目標に向かって努力をしたり、学んだりすることができるということも事実です。そのように、自我は、肉体、エーテル体、アストラル体に働きかけ、それらを整えていく力を持つとされます。

肉体に働きかけるエーテルの「知」。

アストラルという「感情」。

肉体、エーテル体、アストラルをバランスよく統合した上で生じてくる自我という「意」。

これらを持って自我が感性します。人智学では、自我によって変革されたアストラル体を感覚魂と呼びます。そして変革されたエーテル体を悟性魂と呼び、変革された肉体を意識魂と呼びます。

自我を人間が獲得したのは人智学の宇宙論的には地球紀になってからです。

なんだ?地球紀?
という感じかもしれませんが、一つの断面として見ることができる意識状態の進化の話です。(ヴェーディック占星術のダシャーと混乱しませんように。全然違う話です)

Photo by Rafael Cerqueira

土星紀-鉱物(昏睡)―肉体形成 

太陽紀-植物(睡眠)―エーテル体形成

月紀―動物(夢)―アストラル体形成

地球紀―対象意識(覚醒)-自我

木星紀―心魂的意識(自覚した夢)-霊我

金星紀―霊感的意識(自覚した睡眠)-生命霊

ヴァルカン紀-霊的意識、直観(自覚した昏睡)―霊人

という宇宙進化論の中での地球自身の転生の話です。地球という惑星そのものも生命体なので、転生しているのです。それを元にすると、今の地球は、地球紀の鉱物界周期の中にあり、別の言い方ではポストアトランティス時代にいます。(レムリアとアトランティスの話はまた別の機会にまとめてみたいと思います。)

自我を得たのは地球紀に入ってからですが、

自我感覚を得たのは土星紀だと言われます。

「わたし」を感じる自我感覚とは、まるで光や色を知覚するように他者の自我を知覚する感覚です。相手の中に肉体以上の存在を見出す感覚であり、相手の目を見ていると感じる感覚です。

私たち人間は、この地球紀で自我を完成させることを目指しています。

私が私であることの「わたし」を知ろうとするのです。だからこそ、人はタイトルや肩書などを欲しがります。

ですが、本当の「わたし」には名前をつけることはできません。名前をつけることで、わたしを知ることに対して怠惰になるのです。

不完全な自我とは、自分の脳組織を正しく形成できなくなり、思考力そのものが失われていくことであるとシュタイナーも言っています。

正に、目に見えないものをスピリチュアルと呼び、その目に見えないものを材料にラベルを付けて、考えることをせず、盲目的に信じてしまったものが「偽のスピリチュアル」とも言えます。

本当の「わたし」の形成、自我の形成は、

①「霊」としての輪廻転生

②「魂」としてのカルマ

③「肉体」の遺伝

の3つの宇宙の秩序の上に成り立ちます。

つまり、分かりやすく言えば、ボディ、マインド、スピリットの全てを向上させる必要があり、真の自我を形成するために、この地球紀に「個」として霊的進化をしつつ、地球全体の惑星としての進化も進んでいるという壮大な物語なのです。

Photo by Matt Hardy

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投稿者: mayumicosmiclight

神奈川県生まれ神奈川県育ち。20代でオーストラリアに移住。 感覚の過敏さから精神的な不安定さに悩まされて大人になる。 40代で発達障害であると分かる。 シドニー大学博士課程前期終了。人文学専攻。(中世の錬金術、シンボリズムなど) 自分自身の生きづらさの真実を知るために様々なヒーリングモダリティ、ホリスティック療法などを学び続ける。 シュタイナー教員養成コース終了後、オーストラリアのシュタイナー学校勤務。 手仕事の授業を担当するものの、手仕事を通して生きづらさそうな子ども、学習に時間がかかる子どものことばかりが気になり シュタイナー治療教育にあたるエクストラレッスン®を学ぶ。 現在はクリスタルエッセンス製造元であるCosmic Light Therapy® Cosmic Light Pty Ltdディレクター。 シュタイナー学校でのエクストラレッスン®プラクティショナーとCosmic Light社のディレクターという二足の草鞋を履きながら、鉱物療法、ホリスティックアートセラピー、サウンドセラピー、など生きづらさや感覚過敏の人たちが、生きやすくなるような個別セッションやセラピスト養成講座を主催。また、Cosmic Light®【Planetary Alchemy®】でアントロポゾフィーに基づく鉱物療法のプラクティショナーをもっと育てたい情熱をもとに全ての家庭の救急箱にクリスタルエッセンスを、と願う日々。さらに地球にも身体にも優しいエシカル商品&クリスタルを日本のショップオーナーを通して販売中。 プライベートでは、国際結婚&国際離婚。子ども二人をシュタイナー学校に入れて働いてきたシングルマザーでもあります。人生の引き出しは色々あります。

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