鉛と時間、骨とカルマ ―知性の早熟がもたらす魂の老化と硬化―

snow covered mountain
Photo by Felix Mittermeier on Pexels.com

鉛(Plumbum)は、地上で最も重く、冷たく、鈍い金属のひとつです。その灰色がかった鈍い光沢の背後には、目には見えない「時間の密度」が潜んでいます。
シュタイナーは、鉛を土星の金属として位置づけました。土星は、太陽系の最も外側に位置し、冷却と硬化、境界と記憶、そして「カルマ」の象徴でもあります。

この土星の影響は、私たちの人生において老年期に最も強く現れるものですが、現代では子どもたちが早くからこの土星の影に触れてしまっているように感じられます。
それは、知的活動を早めすぎる教育、情報の過剰摂取、スクリーンとの過剰な接触などが背景にあります。

今日は、アントロポゾフィーの治療的かつ、教育の観点から、鉛と時間、そして骨とカルマの関係を探り、子どもたちの健やかな発達のためにどのようなリズムと配慮が必要かを紐解いていきます。

鉛は周期表では金属の中でも特に安定し、ほとんど反応しない金属です。その性質はまさに沈黙と保留を象徴しており、私たちの内面にある“時間の層”と関わります。

  • 重く、沈む
  • 柔らかく、形を保ちにくい
  • 他の物質と反応しにくい
  • 光を遮断する(X線防護に使用)

この物質的性質は、土星の霊的性質と一致します。土星は、制限・孤独・記憶・境界・時間の遅れ・老年期を象徴します。
アントロポゾフィーでは、鉛は骨や皮膚の構造、そしてカルマの器としての身体と深く結びついているとされます。

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土星は、人生の後半において私たちを「収縮と沈思」に導く惑星です。
知性が熟すのは、太陽や水星のような動的な力ではなく、土星のような静的な力を通してこそ、本当の意味で根を持ちます。

ただし、この土星の力が幼少期に過剰に入ってしまうと、それは「成熟」ではなく「硬化」として現れます。

たとえば:

  • 思考の柔軟性を失い、偏った理解しかできなくなる
  • 骨格系に異常が出る(骨密度の低下・姿勢の固定化)
  • 感情の動きが鈍くなる、興味や感動が減退する
  • 思春期以降に「もう疲れた」というような無気力さ

これは、まだ熟していない果実に冬の冷気を与えてしまうようなものです。

現代の教育では、早期教育が推奨され、文字や計算、外国語学習、ピアノにダンス・・・3歳、4歳から習い事が始まることも珍しくありません。
しかし、シュタイナー教育では7歳までの時期は主に「身体的リズムと模倣」によってエーテル体が育まれるべきとされ、知的活動はむしろ抑えるべきとされます。

この時期に知的な刺激を強く受けると、本来肉体の形成に使われるべきエーテル体の力が、頭部=アストラル活動の方に奪われてしまうのです。

その結果:

  • リズム感が育たない(心拍や呼吸の乱れ)
  • 自律神経が不安定になりやすい(過緊張・不安・癇癪)
  • 骨や関節からの力の入力が難しい(姿勢維持が難しい)
  • 思考が鋭すぎて、感情が鈍くなる

というようなことが起こり得ます。実際によく見かけます。これはまさに「土星の訪れを早めてしまった」状態。
魂が老化の道を早々に歩み始めるのです。

骨は、人体の中で最も固く、最も長く残る組織です。
死後もその姿を保ち続ける骨は、霊的には「カルマの容れ物」として理解されます。

  • 歯並びの乱れ、過剰歯、骨盤の歪みなどは、未解決の魂の課題や親子の因縁を反映することもある(この前、メルマガでも触れました)
  • 関節の問題は、人生の方向転換や停滞とリンクすることもある
  • 骨の成長には「時間」が必要であり、それを急がせることはできない

つまり、骨は単なる構造ではなく、「魂がこの地上に形をとって現れる」ための時間的・霊的基盤なのです。

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シュタイナーのバイオグラフィーワークでは、人間の人生は7年周期ごとの惑星的影響のもとに成長し変容していくとされます。
この中で、最初の7年(0〜7歳)は「月」の影響を、63歳以降は「土星」の影響を強く受ける時期とされ、これら二つは人生の円環の中で響き合う鏡のような関係を持っています。

月の時期(0〜7歳)

  • 身体の形成、リズムの確立
  • 模倣と繰り返しによる学び
  • 感情よりも「からだで覚える」

土星の時期(63歳以降)

  • 魂の沈静、人生の省察
  • 骨や関節の硬化
  • 自我の統合と霊的回顧

このふたつの時期は、人生の始まりと終わりでありながら、どちらも「魂が時間をどう経験するか」に深く関わっています。

Photo by David Besh on Pexels.com

土星(Saturn)は、古代より「時の支配者」「因果律の番人」とされてきました。太陽系の最外縁に位置し、地上と星界の境界を象徴

  • 公転周期29.5年は人間の重要な人生節目と一致(29歳、58歳、88歳)自分の人生の目的や生き甲斐になるような社会活動を見つけたか?の28歳。還暦の前に精神的な学びをクリアしたかどうか?の58歳。は特に大事な節目
  • 骨や皮膚、関節といった「時間を記録する器官」に関係
  • 他者と自己の境界、制限、責任の象徴

土星は、私たちの行動や思考に「遅れ」「制限」「重み」を与えますが、それによって私たちは表層的な自己を超えて、霊的な自由へと近づいていくのです。

シュタイナーは宇宙進化の初期段階として「古土星期(Old Saturn)」を挙げます。ここで人間の原型である「熱としての存在」が形成され、物質の前段階である時間と分離が生まれました。

  • 古土星期=時間とカルマの誕生地点
  • 人間の肉体的原型=硬化=骨=カルマの媒体

土星という惑星は、この古土星期の性質を現在も引き継いでおり、宇宙の最も古く、最も遅い記憶を運んでくる存在です。

土星の力を否定するのではなく、適切な時期と形で迎えることが魂の成熟には欠かせません。

  • 幼少期:リズム遊び、模倣、自然とのふれあい
  • 知性の刺激は7歳以降に
  • 骨を育てるための重力遊び(ジャンプ、登る、ぶら下がる)
  • 鉛の鉱物レメディ

土星は魂の時間の化身であり、骨はカルマの器。
その重さと硬さは、過去からの贈り物でありながら、私たちの未来を制限する力にもなります。

急いで知識を与えられた子どもは、土星の時間に早く出会いすぎてしまいます。
私たちができるのは、その子の「月の時」を守り、未来において「土星の叡智」を温かく迎える準備をしてあげることです。

それはまさに、鉛の重みを愛と時間で溶かすことなのです。

一年に一回、深い学びの時間を経てPlanetary Alchemyのプラクティショナーが生まれます。間もなく、3期が終了。この学びは、今年2回目の開催を予定しています。 次回から、芸術療法の学びをPlanetary Alchemyの学びに取り入れ、鉱物と色の両方でのアプローチが可能になるコースとすることにしました。予定は月2回土曜日 午後12時から18時まで(途中休憩あり)。日程をお知らせします。全12回です。

2025年7月5日

7月19日

8月2日

8月23日

9月6日

9月13日

10月11日

10月25日

11月8日

11月22日

12月6日

12月13日

募集要項は、

  • 自分自身の霊的成長を望んでいる人
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  • ミクロコスモスとマクロコスモスの関係性を大事にしたい人
  • 自然と共鳴して生きていきたい人アントロポゾフィーに興味がある人(前知識は要りませんが濃い内容ですので熱い興味だけは必要です。)
  • 月に1回はリアルタイムで参加できる方
  • ここでの学びを社会的な貢献に生かしていく意志がある方
  • 申し訳ありませんが、「スピ好き」はお断りしています。

プラクティショナー用のエッセンスが講座料金に含まれますが、エッセンスを受け取るには、決められた提出物、ディスカッションの参加がまず必要となり、最終の講座でエッセンスを受け取ることができます。その上でエッセンスを使ったケーススタディからレポート提出が必要となります。

参加できない時には、アーカイブ動画の視聴で追いつくことができますが、提出物が出せない時や、ディスカッションに月1回参加が出来ない時は、次期開催分でのリピート受講(受講費は半分以下)をお薦めすることになります。

説明会のお知らせは一般メルマガから行います。

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投稿者: mayumicosmiclight

神奈川県生まれ神奈川県育ち。20代でオーストラリアに移住。在豪30年。 感覚の過敏さから精神的な不安定さに悩まされて大人になる。 40代で発達障害であると分かる。 シドニー大学博士課程終了。人文学専攻。(中世の錬金術、シンボリズムなど) 自分自身の生きづらさの真実を知るために様々な療法などを学び続ける。 シュタイナー教員養成コース終了後、オーストラリアのシュタイナー学校勤務。 手仕事の授業を担当するものの、手仕事を通して生きづらさそうな子ども、学習に時間がかかる子どものことばかりが気になり シュタイナー治療教育にあたるエクストラレッスン®を学ぶ。 現在はクリスタルエッセンス製造元であるCosmic Light Therapy® Cosmic Light Pty Ltdディレクター。 シュタイナー学校でのエクストラレッスン®プラクティショナーとCosmic Light社のディレクターという二足の草鞋を履きながら、鉱物療法、芸術療法、サウンドセラピー、など生きづらさや感覚過敏の人たちが、生きやすくなるような講座を主催。半年に1回、日本で子どものアセスメントと個別セッションを行っています。また、Cosmic Light®【Planetary Alchemy®】でアントロポゾフィーに基づく鉱物療法のプラクティショナーをもっと育てたい情熱をもとに全ての家庭の救急箱にクリスタルエッセンスを、と願う日々。 プライベートでは、国際結婚&国際離婚。子ども二人をシュタイナー学校に入れて働いてきたシングルマザーでもあります。人生の引き出しは色々あります。

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